2020年2月号

 えほんおじさんです。

 今月号ちいさなかがくのとも「ふゆの ぺたんこぐさ」は、
寒い風から身を守り、太陽の光をできるだけたくさん浴びようという
植物の戦略について描かれています。
 そうなんですね、生き物は生きようとして、知恵を尽くし、
自分の姿まで変えます。そうやって何万年も努力を続けてきました。

人間はどうでしょうか。人間も生き物ですから同じように努力をしてきました。
そして画期的な方法を見つけたとき、素直に喜びました。汽車もそのひとつでしょう。

 ところが、さらに人間はいつしか、他の生き物を絶滅させ、自分たちさえも滅ぼすほどに、
その技術をエスカレートさせてしまいました。これはもはや、生き延びるための戦略や
知恵などではなくなっています。他の生き物に迷惑をかけないための戦略と知恵に
もう一度組み替えなくてはならないのは自明です。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆ちいさなかがくのとも 2020年2月号
「ふゆの ぺたんこぐさ」くさはら かな/作


◎作者紹介
・くさはら かな 1981年、兵庫県生まれ。京都精華大学造形学科日本画分野卒業。
身近な自然をテーマに創作を続けている。
絵本作品に「おおきなきとであったら」がある。


◎ストーリー紹介
 寒い冬。公園の広場で、ふしぎな草をみつけた。緑の葉っぱをまあるくひろげて、
地面にぺたっとくっついている。だからぺたんこ草だ。よくみると、あっちにもこっちにもある。
葉っぱはそれぞれいろんな形。強い風の日、雪の日、ぺたんこ草たちはじっとがまん。
暖かくなってきた。お日さまのひかりをいっぱいあびて、ぺたんこ草たちはすこしづつ
おおきくなっていく。


◎絵本の特徴
 冬ですね。今年はずいぶん暖かいような気がしますが、それでも寒い日が続いています。
視線の高さに生えている草たちはすっかり枯れていて、景色は全体的に茶色っぽい。
でも、足元に目をやると、地面にぺたっと張り付いた草がある。広がる葉っぱは大輪の花
のようです。まさしくぺたんこ草ですね。葉をぺたんこに広げることで、風から身を守り、
太陽の光を効率よく吸収しようとする、植物の戦略です。

 大人たちは、前ばかり見て歩いているので、なかなか発見できないかもしれませんが、
子どもたちはあちこちぺたんこ草を発見することでしょう。ぺたんこ草を探して、
散歩に出かけてみてください。
 作者は、くさはらかなさん。身近な自然をテーマに絵を描かれている作家さんです。
力強く柔らかな線が、植物の手触りを伝えます。くさはらさんにとっては、ひとと同じ線上に
植物や動物が存在しているのだろうなと想像できます。


◎読み手の感想 
 昨日、河原に写真撮影に行きました。冬の河原の、枯草が大好きです。
勢いよく伸びた草が、その勢いのまま枯れていて美しい。少しづつ衰えて
いって枯れていくのではなく、そのままの形で枯れる。人生の理想形だなあ…
といつも思います。足元を見ると、冬でも青々しいぺたんこぐさたち。
 彼らの生命の在り方も、美しいな、と思います。冬の枯野の中でも張りのある
葉っぱに、強く生きる力を感じます。人は植物なしでは生きていかれないけれど、
植物は人なしでも生きていけます。植物は、人よりもはるかに強い存在なのだと思います。


◆こどものとも 2020年2月号
「イナヅマごうが やってきた」小林 豊 文・絵


◎作者紹介
・小林豊 1946年、東京都生まれ。旅と人間を主なモチーフにした絵本製作を行っている。
絵本に「せかいいちうつくしいぼくの村」「えほん北緯36度線」「えほん東京」
「かなとやまのおたから」などがある。

◎ストーリー紹介
 お爺さんの、そのまたお爺さんが子どもだったころ。奈良の大仏さんの近くの田んぼの真ん中に
「大仏駅」という小さな駅ができました。そしてある日、大仏駅に真っ赤な体の小さな機関車が
やってきました。名前はイナズマ号。大人も子供もイナズマ号に夢中になりました。

 「へいたとくにお」も、毎日イナズマ号をみにいきます。ふたりは、イナズマ号に
乗ってみたくてたまりません。ふたりは駅員さんにたのんでみましたが、だめでした。
でも……あきらめきれません。そして次の日、今度は運転手さんにたのんでみようと、
汽車をおいかけてはしりはじめました…。

◎絵本の特徴
 汽車のお話の名作は数々あります。それほどに、汽車というものは人々の心を惹きつけて
やまないのだと、実感します。
 汽車が走り始めた時代の人にとって、どれほど素晴らしいものに見えていたのか、お話を
通して推し量ることしかできないのを残念に思います。この絵本には、当時の暮らしの中に
突如として出現した汽車に夢中になる子どもたちの様子が生き生きと描かれています。
明治末に実在した「大仏鉄道」をモデルに、汽車をはじめて目にした子どもたちの喜びが
伝わってくるお話です。多分、現代では味わうことのできない高揚感です。
その高揚感は村全体を包み、意識していない時ですら身体を熱っぽくさせるような
ものなのだろうと想像します。ひとが、無邪気に産業の発展を信じることができた良い時代ですね。

 この絵本に登場する主人公の「へいたとくにお」は、のびのびとしていて、エネルギッシュで、
その時代の空気を体現しているような子どもたちです。汽車に乗りたくて乗りたくて、まっすぐに
追いかけていく姿が、爽快です。彼らにとって汽車は、力強い希望そのものだったのでしょう。
 作者の小林豊さんは、旅を愛し、列車を愛し、奈良を愛する方です。子どものころの、
遠いところに行ってみたいという思いが、のちの小林さんの人生を決定づけたのだと別紙の
「絵本のたのしみ」に書いてありました。子どものころに強く何かに憧れることって大事ですね…。

◎読み手の感想
 赤い汽車ってかわいいですね。汽車というと黒いイメージです。時々、汽車を展示しているのを
見ることがありますが、どれも黒いものでした。
実際走っているところは、テレビでしか見たことがありませんが、テレビの中に映る汽車は
おもちゃのようにしか見えなくて残念です。この絵本の汽車はテレビで見るよりもリアリティがあります。
 リアリティというものは単純に、現物の精密な再現ではないのだと実感します。
でも、もう少し主人公たちの心の中に入り込ませてほしかったな…と思います。
子どもたちを通してその時代が追体験できる、というところが、絵に欠けているかもしれません。
ちょっと、教科書的な距離感ですね。




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