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こんにちは。
たなばたの絵本のお話しでしたので、ちょうど私が、見ることのできる絵本は、いろいろと読んでみて、思ったことがあったので、書かせていただきます。
私は、福音館の「たなばた」は、お話しが途中、中国的で、幼稚園で読むのにどうかなと思ってしまうのです。
フレーベル館の「たなばた」は、日本に伝わっている天人女房のお話しに近いように思うのですが、これはいかがでしょうか。
絵が淡く、読み聞かせには、不向きだという方もおられるようですが、私は好きです。
教育画劇の「たなばたものがたり」は、複雑でないため、小さいときによくお話される七夕のお話だと思います。
七夕のお話を知った上で、いろいろなお話を聞くのもいいと思うのですが、小さいお子さんには、昔ながらのお話をと思います。
もともとたなばたのお話しは、中国から伝わって、日本になじんだお話しだそうで、地方により少しずつ伝わっているお話も違うのだとは思いますが、私は、この二つのお話が好きです。
どうして、だめなのでしょうか。
○答え
>福音館の「たなばた」は、お話しが途中、中国的で、
>幼稚園で読むのにどうかなと思ってしまうのです
確かに、「たなばた」には中国的なものと、
日本的なものがあります。
いえ、正確には、中国やその周辺地域的なものがあります。
周辺地域だけで60近くの民族がいます。それぞれに似たお話が
あるのです。
福音館の「たなばた」は、中国の典型的なお話を、中国昔話・
神話・伝説の第一人者君島久子さんが再話されたものです。
ですから、むろん中国(漢民族)的ですね。中国的だから
『幼稚園で読むのにどうかなと思ってしまうのです』というのは
少々分かりかねます。私も幼稚園や保育園でこの絵本をよく
読みますが、とてもよく聞いてくれます。
>フレーベル館の「たなばた」は、日本に伝わっている天人女房の
>お話しに近いように思うのですが、これはいかがでしょうか
フレーベル館の「たなばた」については、私は読んだことは
ありませんので、答えようがないとの理由と、今は絶版で入手
できない理由によって推薦しませんでした。
ただ、『天人女房型」という意味では、福音館の「たなばた」も
同じ話型ですね。このお話は、中国漢民族の「白鳥処女」を原話に
しているようです。
この類型は元来七夕とはほとんど関係がないお話で、中国漢民族
の七夕と関連付けたお話はむしろ少数のようです。
(世界昔話ハンドブック・三省堂参照)「天人女房」型というのは、
いわゆる「何々女房(異類女房譚といいます)」型のお話のひとつ
と考えられます。つる女房(つるのおんがえし)や「羽衣伝説」
などですね。
また、後半部の、男が天に女房を追っていき(逆もあります)、
親(鬼、天帝など)から無理難題のテストを受けるという話型は、
日本にも世界にもたくさんあります。おそらくこの二つの話型が
結びついているために、違和感をお持ちになったのでしょうね。
しかし、昔話や神話・伝説は、いくつかの話型がくっついたり、
離れたりすることはままあることです。どれが本当の組み合わせ
というのはないと思います。
>教育画劇の「たなばたものがたり」は、複雑でないため、小さい
>ときによくお話される七夕のお話だと思います。七夕のお話を
>知った上で、いろいろなお話を聞くのもいいと思うのですが、
>小さいお子さんには、昔ながらのお話をと思います。
>もともとたなばたのお話しは、中国から伝わって、日本に
>なじんだお話しだそうで、地方により少しずつ伝わっている
>お話も違うのだとは思いますが、私は、この二つのお話が好きです
七夕のいわれ話には、もう一つ有名な形がありますよね。
「牽牛と織女」のお話。それが「たなばたものがたり(教育画劇・
舟崎克彦・文 二俣英五郎・絵)」で絵本化されました。
これも中国起源のお話で、ほとんど伝説ですね。伝説というのは、
特定の場所や出来事のいわれを語るものです。ですから、このお話
は空に架かる天の川と両側に大きく光る星のいわれを語ったものと
いえるでしょう。
その意味で分かり易いし、複雑ではないといえるでしょう。
でも、逆にいえば、そのぶんだけ、物語性にとぼしく、想像力を
要しないことにもつながります。
日本の「たなばた」には、もっと古い(中国からやってくる
お話以前に)お話が各地にありました。「棚機女(たなばたつめ)」
の風習のお話です。
HPの「たなばた」解説にも書きましたが、
それは水辺に棚(たな)をしつらえ、
その上で織物を織って、織物を供えます。
水の神さまを迎えるお祭りですね。
水の神が帰るとき、いっしょに厄災を水に流します。
(持って行ってもらう、ひな祭りの流し雛に似ています)
布や織物はとても貴重なものでした。
(新・木綿以前のこと・永原慶二・中公新書)
それを水の神に供えるのですから、いかに「水の神」が圧倒的な
神であったかわかります。水なしには生きていけないのと、他方
大洪水もしばしばでした。ですから、これは本来中国的な「七夕」
とは関係のない行事だったと思われます。
ところが、中国の星の伝説、七夕(7月7日に出会うという)も、
同じく布や織物の貴重なことを伝えるお話ですから、「七夕」を
「たばなた」と読み替え、この二つが結びついたようです。
ですから、地域によって違うのは、むしろ受け入れ方に違いが
あったと考えるほうがいいと思います。
これらのことから分かってくることは、「たなばた」にまつわる
お話と風習の中心は、以下の通りです。
1 布や織物の大事さ、そしてその技量にたいする尊敬
2 天(星)への願い
天候予測、占い、雨は降って欲しい、けれど洪水は
起こさないで欲しい。
これによって生活をコントロールします。これも大きくは
自然への願いかもしれません。
3 水(自然)の大事さ
ほとんどの話に瓜が登場します。
瓜から流れ出る水が天の川になる。瓜はつる科の植物です
から、天と地上を結び、水を持ってくる植物です。
こうした先人の願いと大事さは、今日も変わることは
ありませんね。
ですから、私はこう考えています。
子どもたちに伝わって欲しいのは、1、2、3の大事さです。
しかも、すぐ伝わることではなく、
「ひょっとして、このお話や絵本の奥には何か大事なことが
語られているかもしれないぞ」
ということが、こころのどこかに引っかかるだけでいいと
思っています。
このような観点から、絵本としての「たなばた(福音館)と
「たなばたものがたり(教育画劇)」を比較してみます。
これはもう比較にならないと思います。
天空と地上の雄大な世界を絵本の画面をはみ出して表現されて
いる初山さんの絵には、はてない想像をかき立てられます。二俣
さんは立派な絵本画家ですが、この絵本についていえば、天空の
世界ってこんなものと思ってしまいます。
ただ、この二つの絵本は、ともに中国の「牽牛と織女」のお話
ですので、日本の「棚機(たなばた)」の風習の背景にある
「水の神」との関連がほとんど見えません。
ですから、ここがおっしゃるように、中国的で、どこか違和感を
感じるのでしょうね。また、日本各地に伝わる昔話
「天人女房型たなばた」も、水との関連が語られるのは
「瓜から天の川が流れ出す」いうくらいで、同じく水との関連が
見えなくなっています。フレーベル館の「たなばた」も、これかな?
中国の「七夕」を、「たなばた」と読み替える(この読みは
完全に定着している、それなのにお話は融合していないように
思えます)とするなら、それらがとてもうまく融合しているのは、
「いまは昔 昔はいま1 瓜と龍蛇」
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=933
の中にある絵巻物「天稚彦草紙」だと思います。
この場合は、追いかけていくのは織り姫です。
(幼児には少し難しいのが残念です)
詳しいお返事ありがとうございました。
昨年ですが、今は昔、さくっと読みました。
内容はうる覚えなのですが、読んで私の中に残ったのは、元は他の国のお話でも、日本に溶け込み、伝え告がれたお話の良さを改めて、伝えたいなと思ったことでした。
そこで、私の思いにぴったりふさわしい絵本と思ったところが、ないのです。
絵は中国的でも、
牽牛・織姫なら、遠い異国のお話=空の上のお話=不思議なお話。
でまだ、受け入れられる。
フレーベルの絵本も、文は、それを思わせるのに、絵は・・・せめて、下外は日本的であってほしい・・・
でも今読むことのできる中では、絵は一番よいと思いました。日本のお話に近くて、初めて聞く天人女房的、たなばたには良いかなと思いまして。
(去年の調べですが、フレーベル直でなら手に入りました。)
福音館のお話、中国の昔話(日本の七夕の元になった)と分かって読むのには、とてもよいお話だと思います。(現に、小学校では、前振りつきで、使っています。)
でも、この子達が始めて七夕のお話を聞くのであれば日本に伝わるお話をと思ってしまうのです。
日本に伝わる、たなばた。
地方により、違いがあると思いますが、(地方色の濃い地域のものではないお話の)良い絵本が出てほしいですね。