アリとキリギリス


Uさまの質問です。

●質問
いつもメルマガ楽しみにしております。
岡山県南でも雪が積もり寒かったですね。
体調崩されていませんか?

 さてお伺いしたいのは、イソップの物語の一つ
「ありときりぎりす」についてです。
 友達のお子さん(五歳)が園の発表会でこの劇をするので
関連本を読んでやりたいがどれがいいか分からない、
ということでした。で、私も興味を持ち、探してみました。

 最後に、ありがキリギリスに「食べ物を与える」「与えない」
「どちらかあいまい」の話がそれぞれある、ということまで
知りました。

 原作はどうなっているのかは不明です。

 この話でふさわしい本、あるいは絵本をもしご存知でしたら
教えていただけませんか?急ぎません。

 イソップの話は教訓的なので、考えの押し付けになりがち、
で、選ぶのが難しい気がします。

これからも、充実したメルマガを期待しております。

○お答え
 風はとても冷たいですが、昼間、太陽が出ると
ずいぶんと暖かくなりました。

お答えが遅くなってしまいました。


 イソップ寓話のこと

 正確を期すために、あらためて、「いそっぷ童話集」
(童話屋刊)を読んでみました。
「北風と太陽」「狼が来た」など17話納められています。


 まず有名な「ありときりぎりす」について

 この本には「ありとせみ」のお話になっていました。
「アリとキリギリス」のお話は、これが原典のようです。

 いつどこで、せみが、キリギリスに変わったのか知りませんが、
いくら寓話とはいえ、現代ではこういったお話は成立しない
のではないかと思いました。

 というのは、たくさんの優れたかがく絵本がでており、
アリやせみやキリギリスの生態は幼児にもよく知られている
からです。
 知らなくても5、6歳になって生態を知れば、
「これはおかしい」ということになると思います。


イソップのお話全体について


 やはりイソップは寓話であって、童話(文学・フィクション)
とも、科学(ノンフィクション)とも、昔話とも、まるで関係が
ないと思いました。

 教訓をいう為に、登場人物が便宜的に使われているだけですね。
 子どもにとって教訓は、体験や内的体験を通してのみ教訓となる
のではないでしょうか。


 イソップ寓話は大人が読むといいと思いました。

 なかでも傑作なのは、「川でおぼれた子ども」でした。

 ひとりで川に行った子どもが溺れて、「たすけてー」といっている。
ちょうどそのとき通りかかった大人が「だからひとりで泳ぐな」
と叱ったそうです。
 子どもはお小言は後から聴くから、
「今は助けて」といって助けてもらったそうです。


 一部始終を見ていたお日さまは、子どもにいいました。

「どうも人間は、大人になるとものごとの順序が逆になる。
 大事なことは後回しで、どうでもよいことに一所懸命だ。
 おまえは、そんな大人の真似をしてはいけない」

どうでしょうか。

 大人の私にはずきずき思い当たることがありました。
ですから、イソップは高学年、いえもっと先でもいいと思うのです。


●声

 私の質問に対し、丁寧な返信ありがとうございました。
「いそっぷ童話集」をわざわざ読み返してくださったとの
こと、プロ意識に頭が下がります。

 私も、出版社名は失念しましたが、いそっぷ寓話集を
読んでみました。
 教訓をはさまず、ただタンタンと話しをすすめる、
というテイストのもので、読みやすかったです。
「いそっぷ童話集」も読んでみようと思います。

 大人が読むにはいいけど、子どもに聞かせるのは大きくなって
からでいい、という説明に、確かにそうかも、と納得しました。

アリやキリギリスの生態、そうですね、
現実離れしすぎていては、子どもも混乱するでしょうか。

私自身、この話は「私はキリギリスみたいに刹那的に生きている
のかも」と自虐的に捉えたことがありますね。

 アリみたいに堅実に真面目に生きなくては、
老後苦労するのかしら…と身につまされたり。
 でも、好きなこともせず働いてばかりで、
人生楽しいの?とも思いませんか?

 究極の選択過ぎて、面白くないですよね。
ほどよく楽しみ、生活の為に働く、どちらも大事ですものね。

 本当にありがとうございました。
巷では、まだ風邪も流行っており、
うちの家族も先週嘔吐下痢になりました。

河口様もどうぞご自愛くださいませ。
メルマガ、楽しみにしております。




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