朝読
Akemiさまからの質問です。
改行など、体裁のみ変更させていただいています。
●質問
小学校での朝の読書=「朝読」について教えて下さい。
絵本おじさん、朝読はどうあるのがのぞましいと思われますか?
といいますのが、小1の息子の参観日で朝読の様子を
見て驚いたからです。
週に一度、10分間。確かに静かには過ごしていました。
が、内容は、多くの子が図鑑をめくっているだけでした。
わが子は何か物語の文字を追っていたようですが。
その間、担任は提出物のチェックなどをしていました。
学級の文庫も、図鑑と絵本や短い物語が少しずつ、内容も数も
乏しいように私には思えました。とてもがっかりしました。
脇明子さんが著書「物語が生きる力を育てる」に、速読や朝読を
いさめており、それより、先生が読んで聞かせる「耳からの体験」
を勧めており、大いに共感しました。
この学校では、読み聞かせのボランティア組織もなく、週に一度
の図書の時間に、少しだけ司書の方が読んでくれるそうです。
(高学年になれば、行事におされると、読み聞かせ時間も
とれなくなるそうです。)
私はただの保護者ですが、子供たちに何かしてやれることはない
か、と考えています。まずは、担任に疑問をぶつけてみることから
始めますが。
何か、朝読についてお考えをお聞かせいただければ幸いです。
いつも楽しみにしています。
これからも多くの方に、絵本のよさを伝えて下さい。
○答え
ご質問ありがとうございます。
>小学校での朝の読書=「朝読」について教えて下さい。
>絵本おじさん、朝読はどうあるのがのぞましいと思われますか?
朝読について
ひとつの方法として多少有効性があるかなと思っています。
ただし、朝読だけでは無理だし、大いに不十分だと思います。
特に、小学校低学年では、ほとんど有効ではないと思います。
※注 朝読をご存知ない方は、
朝の読書推進協議会のHPのここをお読みください。
「朝の読書」をはじめましょう。
●「朝の読書」〜導入の手引き
> といいますのが、小1の息子の参観日で朝読の様子を
>見て驚いたからです。
> 週に一度、10分間。確かに静かには過ごしていました。
> が、内容は、多くの子が図鑑をめくっているだけでした。
>わが子は何か物語の文字を追っていたようですが。
>その間、担任は提出物のチェックなどをしていました。
おそらく、お子さんのクラスが、実態だと思います。
>学級の文庫も、図鑑と絵本や短い物語が少しずつ、内容も数も
>乏しいように私には思えました。とてもがっかりしました。
少しでも読書に関心のある方は、そう思うでしょうね。
先の「朝の読書推進協議会」のHPにある
よく読まれている本のリスト(※下記参照)を見ても、
実態がどの程度か分かりますね。
お子さんのクラスの学級文庫とほとんど大差はないでしょう。
読書といえる本は何冊あるでしょうか。
「ダレン・シャン 奇怪なサーカス」など、
すすめる側の先生や司書の方は読んだことは
あるのでしょうかね?
これはこっそりかくれて読む本ですよ。
◆小学校シリーズ編◆
●かいけつゾロリのドラゴンたいじ
●幽霊屋敷レストラン
●デルトラ・クエスト1沈黙の森
●ミッケ! いつまでもあそべるかくれんぼ絵本
●ハリー・ポッターと賢者の石
●忍たま乱太郎 にんじゅつ学園にゅうがくの段
●バッテリー
●それいけズッコケ三人組
●ダレン・シャン 奇怪なサーカス
●プールで死者がよんでいる 平成うわさの怪談1
●ノートルダムの鐘 映画ノベライゼーション ディズニーアニメ小説版
●恐竜の谷の大冒険 マジック・ツリーハウス1
●もしかしたら名探偵 ミルキー杉山
●わかったさんのクッキー
●若おかみは小学生! 花の湯温泉ストーリー1
●風の谷のナウシカ上 徳間アニメ絵本1
◆小学校単行本編◆
●チョコレート工場の秘密
●おさるはおさる
●ギネス世界記録 2007
●となりのトトロ
●とべないホタル
●ふしぎなナイフ
●十二支のおはなし
●しゅくだい
●長くつ下のピッピ 世界一つよい女の子
●かぼちゃものがたり
●チビ竜と魔法の実
●ブレイブ・ストーリー上
●チロヌップのきつね
●スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし
●どこ? つきよのばんのさがしもの ぜんぶみつけられる?
●レーナ・マリア フット・ノート足で書かれた物語
●10ぴきのかえる
●文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ
●ロボママ
こうなってしまうのは、当然です。
問題の第一は、朝読4原則のうちの3、
「好きな本でよい
(読む本を子ども自身に選ばせることは
自分発見につながり主体性を育む。
但し、マンガと雑誌は除く)」
とあるからです。
小学校低学年・中学年の子が、自主的に本を選ぶことに
無理があります。
というのも、あまりに多種多様に本があります。
本屋さんや公立図書館に連れていって、
さあ選んできなさいといっても選べるはずがありません。
まずは、読書環境を作らねばならないのです。
推進協議会では、
「学級文庫を設置することで、生徒の身近に本のある環境を
つくって下さい。
学級文庫をつくることで、本を準備できなかった生徒への
対応や選書の手助けにもなります」
と言っていますが、(これはすばらしいです!)
ところが、当の推進協議会がリストアップしている
本が上記ですから、読書をどのように考えているかよくわかり
ませんね。
まさか、本という形のものなら何でもいいという訳でもないと
思いますが。
問題の第二は、読書指導が欠けていることです。
朝読の注意事項としてこうあります。
「本を選べない生徒、本を読まない生徒への対応は、
読書以外の時間帯に応援する姿勢で声をかけることも必要です。
折りにふれ、教師が自分の子ども時代の読書体験等や本の魅力に
ついて自分の言葉で語ることも効果があります」
これでは、まったく不十分です。
これくらいのやり方では、現代では読書好きになって
もらうことはできません。
小学校中学年までは、ひとり一人具体的に導いてあげる
必要があるのです。
高学年までに、読書の習慣がつけば自主的でいいと思います。
小学校へ上がった段階と中学年に高いハードルがあり、
これを乗り越えさせてあげなければ、読書習慣は身に付かない
のですよね。
「本を選べない、本を読まない」のは何故なのか、
どこでつまずいているのか、どんな本を今読んでいるのか、
どんな本を手渡すといいのかをひとり一人について、指導する
必要があるのです。
問題の第三は、家庭との連携がまったく考慮されていない
ことです。
家庭では、読み聞かせを大いに推奨しなければなりません。
読み聞かせと、一人読み、朝読を連携させてこそ、読書習慣が
身に付くのです。
> 脇明子さんが著書「物語が生きる力を育てる」に、速読や朝読を
>いさめており、それより、先生が読んで聞かせる「耳からの体験」
>を勧めており、大いに共感しました。
脇明子さんと、岡山子どもの本の会のメンバー(私も含まれます)
は、同じ問題意識を共有し、どうすれば読書好きの子になって
もらえるか、をいっしょに考え続けてきました。
その一定の成果としてまとまったのが「物語が生きる力を育てる」
でもあります。
朝読が速読になりやすい傾向や、小学生を放置すれば、
どうなるか、学校現場にいるメンバーから聞いております。
それで、担任の先生が読み聞かせを継続してやると、
子どもがどのように変わっていくかについてもその本の中で
報告しています。
上記したように、結論は、「朝読」だけでは
まったく不十分だということです。
で、やるべきことは、優れた読書環境を学校や家庭や図書館
(学級文庫・学校図書館を改革する)につくること、
それらが連携して読み聞かせを行うこと
(本の本当の面白さをまずは知らなければなりませんから)です。
こうした耳からの読書は、基礎工事です。
そうしてはじめて、選書眼や一人読みが可能となる
前提ができるのです。
中学年までの時期は、同時に絵本から童話やノンフィクション
(科学書)への移行期でもありますから、そうした手助けは
不可欠なのです。
> この学校では、読み聞かせのボランティア組織もなく、週に一度
>の図書の時間に、少しだけ司書の方が読んでくれるそうです。
(中略)
> 何か、朝読についてお考えをお聞かせいただければ幸いです。
あまり焦らないほうがいいですよ。
まずは、本を愉しみましょう。先生とも対立しないよう。
それですべきことは、朝読より、1年生ですから
読み聞かせを考えてもらったらいかがでしょうか。
毎日の読み聞かせ(クラスの先生がやると長編が読めるのです)
が無理なら、朝読との併用でもいいですね。
●声
Akemiと申します。
先日は、「朝読」への疑問や投げかけに対し、
迅速で丁寧な返信を頂きありがとうございました。
教わった「朝読」のHPを見て、朝読が誕生し広まった
経緯などは分かりました。
また、10年ほど前まで小学校教師をしていた母にも尋ねました。
「朝読?やってたよ、毎日五分間。
でもあれは、家庭でしっかり絵本を読んでもらったり
自力で読める子には必要ないよ。
あんまりやると担任の負担にもなるしね。」
と言われました。
私も思うに、朝読とは、全く本・活字(教科書やマンガ本以外)
に自分から触れる機会や意思の無い子に、せめて文字に触れさせ、
読む機会を与えよう、という方法の一つでしか、まだない、
のではないか、と。
何を選んでいいかわからないから、仕方なくアニメでおなじみの
「忍たま」や「ゾロリ」などとっつき易そうなもの、絵が多いもの、
からめくってみよう、と。何も読まないよりはそれはマシ、かも。
でも、図鑑の絵を見てるだけ、なんて、
それはやっぱり「読書」とは言えないと思います。
かくいう息子も、学校の図書室で最近借りてくる本は、
そういう類のもの。原ゆたかさんの絵の本だったり、
忍玉乱太郎だったりします。
自分で読みふけっていて、私は読んでやってません。
息子の小学校の図書室にもおじゃまし、司書さんに
話も聞きましたが、図書室のスペースがとても小さく、
蔵書もこれ以上増やせない、読み聞かせもしにくい、
とのことでした。
担任の先生に尋ねたら、朝読では不十分だが、
その代わりに、週に一度、図書の時間があって、
司書の人にたっぷり読んでもらっています、
ということでした。
私も、小学校で子どもに絵本を読んであげたい、
という思いもあるのですが、全くの素人ですし、それ以前に、
学校でそういうのは受け容れておられない、とのこと。
幼稚園では読み聞かせボランティアの人がこられていたし、
親子読書の時間も毎月設けられていたのですが。
先生や司書さんが読む、というのと、○○さんのお母さんが
読む、というのはまた違った魅力があると思うのですが。
(まあそれ以前に、読んでやろうと思ったら、自分が
読み聞かせの勉強をいっぱいしないといけませんね。)
朝読をテーマに、絵本の読み聞かせ登録が出来るSNS
(ミーテ)に日記を三日連続書きました。
(絵本おじさんにも見ていただきたいです。
「あけみぃ」というハンドルネームで6・18から
書きました。ただ、登録をしていただかないと
読めないので恐縮なのですが。)
皆さんからの反応も大きく、関心が高いのだ、と感じました。
学校の先生にも、読書推進に力を入れて欲しい、という、
読み聞かせ経験者や図書館勤務だった人からの思いの伝わった
コメントも頂きました。
河口さんの言葉を励みに、これから私も子どもと一緒に
良質の絵本を楽しみたいな、と思っています。
子どもを授かったことで、絵本にまた出会える楽しみ、
本当にありがたいです。
これからも、メルマガ楽しみにしています。
どうぞご自愛下さいませ。
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